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[2008/10/18]【高校野球】富山商、決勝へ/春のセンバツ有力に

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 秋季北信越高校野球大会の準決勝が18日、新潟市の鳥屋野球場であり、富山商が2-1で新潟商を下して決勝に進んだ。今大会の成績は、来春に甲子園で開かれるセンバツの出場校を決める参考資料となる。北信越地区からは例年、上位2校が選ばれており、富山商は95年以来、14年ぶりの出場に大きく近づいた。

 ▽準決勝
富山商 000 000 200|2
新潟商 000 001 000|1

耐え抜き逆転勝ち

 【評】富山商が投打に粘りをみせて逆転勝ちした。先発の村上が再三のピンチを1失点にしのいだのが大きかった。
 先制された直後の七回、継投したばかりの相手投手を攻めた。先頭の矢田部が左越え二塁打、続く熊膳の三塁前のバント安打が悪送球を誘って同点。犠打で一死三塁とし横田のスクイズで勝ち越した。村上は遅いカーブを多投して新潟商打線をかわし、決定打を許さなかった。
 新潟商は、富山商の5安打を上回る8安打を放ったが、11残塁と好機を生かせなかった。


要所押さえた試合運び

 耐え抜いて、また競り勝った。富山商が、14日の準々決勝に続く1点差勝利で決勝に進出、04年夏以来の甲子園出場を有力にした。
 要所を押さえた巧みな試合運びだった。0-0の六回裏、村上勇太投手が連打を浴び、一死二、三塁のピンチを迎えた。だが、三塁けん制球の偽投から二塁へ送球するサインプレーが決まり、二死三塁に。「めったにないプレーだが、練習してきたかいがあった」と主将の横山大樹三塁手。その後、先制点を許したものの最少の1点に抑え、反撃につなげた。
Dsc_1030  直後の七回表、この回に継投した相手投手から、先頭の矢田部一生選手が左越二塁打を放つ。続く熊膳春太郎選手がバント安打、処理をあせった三塁手の悪送球で同点。犠打で一死三塁とし、スクイズで勝ち越した。「打てるチームではないから、ヒットなしでも点を取れるよう練習している」(横山主将)という。成果を発揮した3連続バントでの逆転劇だった。
 沢田利浩監督は、新チーム発足と同時に、後継者育成とチームの変化を狙って、前崎秀和部長に指導の多くを任せた。試合中のサインも前崎部長が出している。
 主力選手が入れ替わり、県内のライバル校と比較しても圧倒する力はない。「競り勝つ野球」を目標に掲げ、夏は例年の1.5倍は練習したという。精神面では、劣勢に耐え抜く「我慢強さ」を求めた。31歳の若き指導者の情熱に選手たちも応えた。
 8月末、富山地区大会決勝でのコールド負けが薬になった。「練習に取り組むみんなの目つきが変わった」と宮井佑也選手は話す。実力不足の現実を突き付けられ、チームの目指すコンセプトを再確認した。村上投手は、緩急を使って打たせて取るピッチングを心掛けて安定感を増した。野手はピンチで慌てないよう、互いに声を掛け合った。県大会初戦を1点差でものにすると、一戦ごとに粘り強さを身に着けていった。
 来春のセンバツ出場が決まれば、富山商として95年以来14年ぶり。前回出場時のエースが前崎部長で、沢田監督は前年秋から指揮を執り始めたばかりだった。「甲子園3勝」を目標に掲げ、3年連続して夏の選手権に出場した黄金期にも成し遂げることができなかった春の甲子園出場。沢田監督は「ベンチ全体が本当によくやっている」と喜ぶ。前崎部長は「対戦したチームに鍛えられて力を付け、ここまで来ることができた。我慢できるチームになった。選手たちが謙虚に練習に取り組んできたからだと思う」と話した。

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