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[2009/10/19]【北信越高校野球】高岡商が決勝へ/春の甲子園出場が有力に

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 秋の北信越高校野球大会の準決勝が20日、石川県立球場であり、富山県代表の高岡商が2-1で福井工大福井(福井)を下して決勝に進出した。今大会は来春のセンバツ大会の出場校を決める参考資料となる。例年、北信越地区からは今大会の1、2位が選ばれており、高岡商の甲子園出場が有力となった。
 決勝は21日午前10時から同球場であり、高岡商は4年ぶりの優勝をかけて敦賀気比(福井)と対戦する。

 ▽準決勝(石川県立)
高岡商 020 000 000|2
福  井 000 100 000|1
(高)新堂、鍋田―松嶋
(福)森本―張
▽二塁打 阪口(福)

わずか2安打も4併殺で逃げ切る
 【評】高岡商が4併殺を奪うなど堅い守りをみせ、ノーヒットで挙げた2点で逃げ切った。二回一死から福井工大福井のエース森本が制球を乱して四球と連続死球で満塁、8番・山道への2球目が暴投となって石川県立球場の広いファールゾーンに転がる間に一気に2点を先取した。
Dsc_0919  リードしたものの左打者が7人並ぶ高岡商の打線は、森本投手の速球と内角低めに決まるスライダーを最後まで打ちあぐねた。五回まで無安打で2安打9三振に抑え込まれたが、バッテリーを中心に守りで踏ん張った。

 先発した新堂は一回一死一、二塁、二回無死一塁をいずれも併殺でしのいだ。四回二死満塁から適時打を許して1点を返されたが、継投した鍋田が後続を抑えた。鍋田は尻上がりに調子を上げ、九回一死一、二塁のピンチを遊ゴロ併殺で乗り切った。
 福井工大福井は10安打を放ったが、走塁やバントのミスもあって打線がつながらず9残塁。森本が力投したが、ゲームの流れを変えることができなかった。



劣勢を耐え抜く力

 「不思議な展開になっています」
 五回終了時、ラジオの実況アナウンサーが試合の様子をこう表現した。
 高岡商は2-1でリードしながらも、依然としてノーヒットで8三振を喫していた。対する福井工大福井は、森本将太投手が速球と鋭い変化球で圧倒的なピッチングをみせ、打線も7安打を放っていた。だが、そのままスコアは動かず、高岡商は劣勢を耐え抜いて決勝進出。今大会3試合連続の1点差勝利で、春のセンバツ出場を有力にした。

 夏の県大会決勝では甲子園出場を目前にしながら逆転負けした。宮袋誠監督は「決勝の九回にひっくり返された時から、この新チームはスタートした。実力はまだまだだが、精神的な粘り強さを身につけてくれた」と選手を称えた。

 鍋田浩成投手、主将の松嶋真樹捕手ら夏の経験者は、追い詰められても闘志と冷静さを失わなかった。松嶋捕手は、捕球の構えに入る時にこぶしでミットを強く叩いて投手を鼓舞し続けた。九回裏一死一、二塁のピンチを迎えた時にはマウンドに歩み寄り、鍋田投手と「1点取られても延長戦だ。攻めの姿勢でいこう」と確認したという。低めの直球でゴロを打たせて、この日4つめの併殺打で試合を締めくくった。
 宮袋監督は「非常に苦しいゲームだった。これまで選手たちが頑張ってきたから、不思議な力が働いたのかも」と驚く。指導者の想像をも超えてチームは成長を続けている。

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