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[2012/07/28]【夏の高校野球】合言葉は「いぐぞ甲子園」/富山工が初制覇

富山工①

第94回全国高校野球選手権富山大会は27日、富山市民球場で決勝があり、富山工が15-8で富山商を下して初優勝した。富山工は春夏通じて初の甲子園出場となる。

 
■朝日新聞HP

http://www2.asahi.com/koshien/94/toyama/

 

 


勢いまざまざ。采配も後押し/富山工

 

富山工の勢いが伝統校の富山商をも飲み込んだ。選手たちの思い切りのよいプレーが次々と好結果につながり、監督の采配もそれを後押しした。


富山工②初回無死一塁で2番・跡治陽太選手がバントの構えからヒッティングに切り替えるバスターで三遊間を抜きチャンスを広げた。須賀繁樹監督は「今大会、うちが全試合で一回に得点しているのを相手も知っている。手堅く犠打で走者を進めると決めつけてくるはず」と考えていたという。果敢に仕掛けた。続く3番・森竹祐哉選手にもヒットエンドランを指示。二ゴロに終わったが走者は進み一死二、三塁に。その後、内野安打に敵失が絡み2点を先取した。


「ギャンブル的な作戦ではあったが、はまれば相手が弱気になると思った。それらが裏目に出ていたら逆に大差で負けていてもおかしくなかった」と須賀監督。だが裏付けはあった。跡治選手は「監督からは『準決、決勝はバスターもあるぞ』と伝えられていた」と明かす。勝負のサインに見事に応えてみせた。

 

三回には森竹選手が左中間二塁打を放ち、ビッグイニングの火付け役になった。打線が好調なチームにあって最近2試合はノーヒット。「なかなか打てていなかったのもあって、打球がショートの頭を越えた時点で二塁を狙った」と言う。際どいタイミングとなったが、迷いなく一塁を回ったことが奏功、返球もわずかに逸れてセーフとなった。富山工に傾いていた流れは堰を切ったように急となり、7番まで強攻策で2点を追加。8、9番は一転してスクイズを決めてさらに2点を加えた。須賀監督は「相手が無警戒だと感じた。冷静に判断することができた」と振り返る。この回に計5点を奪ってリードを広げた。

 

須賀監督は、森崎直樹監督がけがで入院し、6月から急きょチームを率いることになった。選手たちをリラックスさせるためにこの日は出身の山形なまりの「いぐぞ甲子園」を合言葉として授けたという。捕手の西野誠太選手は「富山商に追い上げられて苦しかったが、マウンドに集まって笑顔で『いぐぞ甲子園』と言って励まし合った」と話した。


秋、春の県大会はベスト16止まり。「部員が80人もおり、力のある選手はいると感じていた。結果を残して自信をもつことができれば人間的にも大きく成長させてあげられると思った。3回戦で(第1シードの)不二越工と接戦して勝てたことでひと皮もふた皮もむけた」と須賀監督。心技かみ合い、一気に夏の頂点まで駆け上がった。

 

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