[2008/10/25]【BC】エース力投、富山初勝利/独立リーグ日本一決定戦
野球独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップ(GS)第3戦が25日、富山市の県営球場であり、BCリーグ王者の富山サンダーバーズが5-2で四国・九州アイランドリーグ王者の香川オリーブガイナーズを下した。富山はGS初勝利で通算1勝2敗。第4戦は26日正午から同球場で行う。
▽グランドチャンピオンシップ第3戦(富山1勝2敗)
香 川 001 010 000|2
富 山 220 000 10X|5
(香)金子、安達、高尾、松尾、橋本―堂上
(富)小山内―広田
▽二塁打 優士(富)
▽安打=香8、富9▽失策=香2、富1
香川の守りに乱れ
【評】敵地で連敗し王手をかけられた富山がエース小山内の力投 で逃げ切り、初勝利を挙げた。
富山の5点には、いずれも香川の守備の乱れが絡んだ。一回二死二、三塁、優士の飛球を右翼手が目測を誤って二塁打として2点。 二回は二死から川端、山内の連打などで満塁とし、町田の三前内野安打、暴投で2点を加えた。一時2点差に詰め寄られたが、七回に敵失で出た走者を藤岡の適時打で返して再びリードを広げた。第1、2戦の2試合で4安打1点に封じられていたが、積極的な打撃で9安打を放った。
小山内は五回まで7安打を浴び2失点と苦しんだ。大きなカーブを軸に打たせて取る投球で徐々にペースをつかみ、六回以降は1安打に抑えて完投した。
苦心のマウンド 意地の完投勝利BCリーグの意地をみせた。連敗であとがない富山サンダーバーズが初勝利。リーグ最多勝のエース小山内大和投手が、粘り強いピッチングで貢献した。
「神風が吹いた」と鈴木康友監督が振り返った一、二回、香川オリーブガイナーズの堅守が乱れた。第1、2戦あわせて1点しか奪えなかった相手から、幸先よく4点をリード。「1、2点勝負になる」とマウンドに上がった小山内投手だったが、「これで勝てる」と思ったという。だが、力が入って球が上ずり連打を浴びた。
五回まで被安打7。苦労しながら2失点に抑え、しり上がりに調子を上げた。カーブ中心の配球で打たせて取り、六回以降は三塁を踏ませなかった。最後は併殺打で締めくくった。
小山内投手は昨年まで四国・九州アイランドリーグの愛媛に在籍し、香川戦を得意にしていたという。その経験が生きた。ピンチでは「相手も嫌がっているはず」と言い聞かせて辛抱。「(香川打線は)際どいコースをしぶとくヒットにしてくる。少し甘めで、いい当たりをされても打たせて取る方がよい」と開き直ってリズムにのった。
捕手の広田嘉明主将も、同じ愛媛に2年前まで在籍した。イニングごとにバッテリーでコミュニケーションをとって配球を工夫。機動力を駆使する香川の盗塁を2度防ぎ、守りでも援護した。香川の西田真二監督は、2人の愛媛時代の監督でもあり、成長ぶりを示す勝利ともなった。広田主将は「地元でのゲームでファンも盛り上がってくれた。うちは勢い乗ったら止まらないですよ」と笑顔で話した。