[2008/10/26]【BC】富山、逆王手/独立リーグ日本一決定戦
野球独立リーグ日本一を決めるグランドチャンピオンシップ(GS)第4戦が26日、富山市の県営富山球場であり、BCリーグ王者の富山サンダーバーズが4-0で四国・九州アイランドリーグ王者の香川オリーブガイナーズに連勝した。通算2勝2敗で決着は第5戦に持ち越された。
最終の第5戦は27日午後6時半から黒部市宮野球場で行う。
▽グランドチャンピオンシップ第4戦(富山2勝2敗)
香 川 000 000 000|0
富 山 000 000 04X|4
(香)塚本、松尾―堂上
(富)田中―広田
▽二塁打 野原、山内、伊東(富)
▽安打=香4、富6▽失策=香2、富2
田中4安打完封、投手戦制す
【評】緊迫感のある投手戦を制して富山サンダーバーズが逆王手をかけた。先発の田中が緩急を使って打たせて取り、香川オリーブガイナーズ打線を4安打完封した。
富山は八回、相手ストッパーの松尾を攻略した。山内、町田の安打などで一死満塁とし、一ゴロ失策で先制。続く大士の左前打、伊東の左中間二塁打で一気に3点を加えた。田中は直球にきれがあり、カーブ、スライダーを効果的に交えて決定打を許さなかった。
香川は、下手投げのエース塚本が第1戦に続き好投し、七回途中まで富山打線を2安打に抑え込んだが、失策絡みで二死二塁のピンチを迎えて降板した。八回も失策から失点し、第3戦と同様に守備の乱れが響いた。
■富山・鈴木康友監督の話 すごい試合をした。田中の好投に尽きる。よく我慢してくれた。相手が塚本投手だったので、勝つなら、こういう形しかないとは思っていた。ちょっと興奮している。あと1戦、精いっぱい頑張りたい。
起死回生 “10月男”の働き大仕事を成し遂げた。負ければ終わりのグランドチャンピオンシップ(GS)第4戦、富山サンダーバーズの田中孝次投手が被安打4の完封で相手エースに投げ勝った。「まさか、ここまでやってくれるとは…。いや、やってくれると思っていました」。ヒーローインタビューの司会をした横田久則投手コーチが、田中投手の右腕をスタンドに向け高く掲げた。
10月のプレーオフ期に入って調子を上げてきた伏兵的存在。リーグ戦の前期まではストッパーで後期から先発ローテーションに加わったが、2本柱の小山内大和、木谷智朗投手に次ぐ、3、4番手の位置づけだった。プレーオフから木谷投手がリリーフに回ったため、制球のよさを買われて先発を任されている。GS第2戦にも先発し、敗れたものの六回まで1失点と好投。「大事な試合に使ってもらい、結果がでることで自信がついてきた」と手ごたえを感じていた。
香川の先発・塚本浩二投手=写真右=は、第1戦で富山打線を8回1安打に 封じた。この日も右下手からの巧みな配球でゼロを並べた。それでも、田中投手は重圧をあまり感じなかったという。「きょうは必ず打つからな」との仲間の励まし、「後ろには木谷さんらいい投手がいる」との信頼を支えに丁寧な投球を心掛けた。直球にきれがあり、カーブ、スライダーで幅広く揺さぶった。奪三振は2個だけ、内野ゴロで15個のアウトを積み重ねた。
打線は、14イニング連続無得点に抑え込まれていた塚本投手が降板して奮起。八回に4安打と敵失などで一気に4点を奪った。田中投手は「リードをもらって、九回が一番緊張しました。1球1球集中して、攻めの投球ができました。はまりましたね」と笑みを浮かべた。
北陸地区チャンピオンシップ第2戦から今回まで、プレーオフ4試合に登板して3勝目。起死回生の白星の原動力となり、“10月男”と呼んでも言い過ぎではないだろう。独立リーグ日本一へ、富山が夢をつないだ。
※香川・西田真二監督コメント→ 四国・九州ILニュースリリース