[2009/06/24]★幼稚園のグラウンドを芝生に!/富山市でJFAグリーンプロジェクト開始
富山市の白藤幼稚園は6月20日、園庭の芝生化へ向けて苗の植え込みを行った。日本サッカー協会の「JFAグリーンプロジェクト」のモデル事業として無償提供されたポット苗を、園児と父母らが手分けして植えた。同プロジェクトによるグラウンドの芝生化は県内では初めて。9月上旬には成長した芝で園庭が覆われる。
芝生化されるのは同園の約1200平方メートルの園庭。同プロジェクトが推奨する、成長力の強い「ティフトン芝」を、50センチ四方の区画に1株ずつ植えた。JFAから派遣された池田省治さん=NPOグリーンスポーツ鳥取技術顧問、富山市出身=の指導のもと、園児と父母ら約300人が作業した。
土壌改良など事前の工事は必要なく、その場で地面に穴を掘り、 ひと握りほどのポット苗を植えた。池田さんによると「苗は丈夫で風や雨で飛ばされないことが大事」、しっかり根付くように園児が植えた苗の上から土を踏み固めた。園児の一人は、じょうろで苗に一生懸命に水をやり、「楽しかった。芝の上でかくれんぼや鬼ごっこがしたい」と話していた。
父母らは「芝になると、子どもたちが思い切り遊べる」、「けがが少なくなりそう」などと歓迎。「自分たちで植えると聞き、大変な作業をイメージしていたが違った」、「9月にもう使えるとは驚いた」「雑草は生えないのですか」などと話し、芝が生えそろう時を楽しみにしていた。
ティフトン芝は成長が早く、夏場の成長期にはランナーと呼ばれる茎が1日で1.5センチも伸びる。週1-3度の頻繁な芝刈りが必要になる半面、傷んでも回復が早い。雑草より生育力に勝るため、次第に芝の占有率が高まり、草取りの手間が少ないという。
ティフトン芝のポット苗を用いた今回のような芝生化の方法は、大掛かりな工事が不要なため低コストで実施できる。NPOグリーンスポーツ鳥取が先進的に取り組んでおり、「鳥取方式」とも呼ばれて注目を集めている。
芝は8-10週間で園庭いっぱいに広がる。行事などでの使用は続けることができるという。同園では芝刈り機や散水装置、肥料などを購入して管理する。同モデル事業には本年度、全国113件の応募があり、49カ所が選ばれた。
園長の土岐幸次さんは「子どもたちにとって緑の効果は大きく、いつかは園庭を芝生にしたいと考えていた。費用面が問題だったが、この方法だと安くできると聞き応募した。寝転がったりして遊べるし、自然ともふれあえる。子どもたちの成長とともに芝も育ち、一面の緑になる日が楽しみ」と話した。副園長の土岐環さんは「川淵キャプテンの本なども読み、子どもたちの教育のためにも芝生にしたいと思っていました。苗を植える作業に多くの園児と家族の方に参加していただけてよかった。みんなで大切に育てていきたい」と話した。
池田さんは東京で会社を経営し、国立競技場や味の素スタジアム などの芝生管理も手掛けている一方で、グリーンスポーツ鳥取のニール・スミス代表に協力して芝生文化の普及に努めている。「日本では芝生は高価なものと考えられがちだが、すべてが競技場のような品質である必要はない。雑草も含めて定期的に刈ることでターフになる。芝生の上で思い切り遊ぶことで体力もつく」と説明。作業で汗だくになりながら「芝生は緑のじゅうたん。遊び場としての芝生を広めたい。子どもたちの喜ぶ姿が好きです。ふるさと富山でもお手伝いできたらよいですね」と話していた。
【参考】
▽テレビ朝日の報道ステーション(12月2日放送)
特集『常識変える“格安の芝”子供も地域も変わる』=サイトで見ることが可能です
http://www.tv-asahi.co.jp:80/hst/movie/feature/index7.html
▽NPOグリーンスポーツ鳥取HP
http://www.greensportstottori.org/lawn/
▽同NPO代表・ニール氏のブログ「芝生化奮闘記」
http://plaza.rakuten.co.jp/playgrounds/
▽日本サッカー協会HP「グリーンプロジェクト」関連
http://www.jfa.or.jp/jfa/topics/2008/a20081212_2.html