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[2009/10/17]【北信越高校野球】苦い経験をばねに/高岡商が延長サヨナラ勝ち

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 高校野球の秋季北信越大会は17日、石川県で1回戦が行われた。富山県勢は高岡商が5-4、延長13回サヨナラで金沢(石川)を下し、不二越工が9-7で長野(長野)に勝ってベスト8に進出した。砺波工は1-4で佐久長聖(長野)に敗れた。

 今大会の成績は、来春のセンバツ大会の出場校を決める重要な参考資料となる。

※富山県高校野球連盟
http://koyaren.el.tym.ed.jp/cms
※信濃毎日新聞の特設ページ(全試合のイニングスコア)
http://www.shinmai.co.jp/baseball/


苦い経験をばねに成長

/サヨナラ勝ちの高岡商

 高岡商は9回裏に2点差を追いつく粘りをみせ、延長13回の末に5-4で金沢にサヨナラ勝ちした。約2カ月前、夏の県大会決勝で逆転負けした痛恨の経験が、あきらめない気持ちと集中力につながった。

Dsc_0785  8回に一挙4点を奪われて2-4と逆転された。9回に3点差をひっくり返されて甲子園出場を逃した夏の決勝と重なるようなゲーム展開。金沢の釜田佳直投手は直球に力があり、打線は8回まで4安打に抑えられていた。
 9回は村田勇介三塁手の中前打、松嶋真樹捕手の左翼線二塁打で無死二、三塁としたが、続く2人が連続三振に倒れて追い詰められた。打順が回ってきた土屋裕保左翼手は、夏の決勝を思い出したという。1点を追う最終回、二死一、三塁で四球を選んだが後続が絶たれて敗退した。再び巡ってきた大事な場面での打席に「もう一度、自分を試すことができると思い、うれしかった」と振り返る。

 カウント1-1から積極的に打ちにいって6球連続ファールで粘り、9球目はしっかりとボールを見極めた。そして10球目の直球を左前に弾き返すと、三走に続き二走の松嶋も際どいタイミングで生還して一気に同点に追い付いた。
 土屋は「みんなでつないで作ったチャンスで、ベンチからの声援も力になった。来た球を打つという心構えで食らいついた」と話した。普段は早めのカウントから打つことが多く、「追い込まれてから打った経験はあまりない」と言う。土壇場で力を発揮した。

 エース鍋田浩成投手は13回で18三振を奪う力投。13回裏は三塁打の松嶋を4番の山本圭介右翼手が左前打で返して勝負を決めた。
 土屋のほか、今大会のメンバーには鍋田と松嶋のバッテリー、高森匠平一塁手ら夏の大会のレギュラーやベンチ入りした選手が8人残る。主将の松嶋は「(夏の)あの負けがあるから、『負けたくない』『最後まであきらめない』という気持ちが強い」と話す。

 宮袋誠監督は「夏の負けは1球の重みを教えてくれた。1球でやられたのだから、1球あれば何とかできると思える。こういう戦いができるようになった選手たちの姿がうれしかった」。球児たちは、苦い経験を糧にして成長したことを証明した。目指すゴールはまだ先にあっても、胸を張ってよい大きな1勝だ。

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