[2011/09/04]【天皇杯サッカー】富山新庄クラブ勝ち、来月J1新潟に挑戦
天皇杯全日本サッカー選手権の1回戦が4日、富山県総合運動公園陸上競技場であり、富山県代表の富山新庄クラブが1-0(前半0-0)で新潟県代表のJAPANサッカーカレッジを下した。10月8日の2回戦では、J1のアルビレックス新潟と東北電力ビッグスワンスタジアムで対戦する。
JAPANサッカーカレッジは北信越フットボールリーグ1部で優勝。一方の富山新庄クラブは同2部で優勝して来季の1部昇格を決めたばかり。富山新庄は守りを固めて少ない好機を生かす作戦で臨んだ。コンパクトな守備ブロックを構築し、ボールをつないでくる相手の攻撃に対応。J2のカターレ富山でもプレーした景山健司選手と野嶋良選手のダブルボランチが中央を固めて、プラン通りに0-0で前半を折り返した。
後半もJAPANが攻め込んだが、富山新庄はGK青木大輔の好セーブやDFの体を張った守りで得点を許さない。そして同30分、元カターレのFW石黒智久選手がペナルティーエリア手前の絶好位からのFKを左足で直接ゴールに蹴り込んで決勝点を挙げた。
※47ニュース 天皇杯特集
http://www.47news.jp/sports/soccer/soccer_tennou.php
●富山新庄クラブ・堀勝弘監督の話
選手がすごく集中していた
前半に失点しないことを目指し、プラン通りに0-0で折り返すことができた。後半、勝つとすればセットプレーから得点するしかないと考えていたが、(石黒がFKを決めて)本当にプラン通りにいった。相手はスピードのある選手を前線にそろえているので、ボールを奪うために安易に飛び込まないようにして守った。パスは回されて体力的にはきつくなるが、ポジションを決めて奪いにいった。(危ない場面は数多くあったが)なんとかしのいで、ワンチャンスで決めることができた。これが、先制点を許して追う展開になっていたら2、3失点していたかもしれない。選手がすごく集中していた。(決勝点につながる)FKを得た時には「これはいけるのでは」と思った。
昨年もセレッソ大阪と対戦することができ、天皇杯には縁がある。次のアルビレックス新潟戦は(会場がビッグスワンスタジアムで)完全アウエィでの試合になるが、わたしたちには失うものがない。当たって砕けろの気持ちで戦いたい。
サッカーをする者がすべてカターレやJFLのチームでプレーできるわけではない。(わたしたち富山新庄クラブは)富山で楽しくサッカーをやりたい者の受け皿になりたいと思っている。選手には元カターレの選手もいるが、仕事はサラリーマンや教員などさまざま。(サッカーのように)何かにひとつになって取り組むことは素晴らしいことだと思う。天皇杯のようにJリーグクラブと対戦できるチャンスもある。勝負に対して全員が目標をもって活動している。
●富山新庄クラブ・石黒智久選手の話
ここがチャンスだと思っていた
(決勝点となったFKは)壁を越えさせれば入ると思って狙った。壁に入った味方の位置を微調整してGKに蹴るところを隠すようにしたので、相手も反応しにくかったと思う。(守って少ない好機を生かす)ゲームプラン通りに進めることができていたので、ここがチャンスだと思っていた。決めることができてよかった。
みんなと一緒にサッカーをすることが楽しいし、試合に出て勝ちたいという気持ちがある。カターレでプレーしていた時は、プロとして生き残ることに必死で自分のことばかり考えていたような気がする。今はみんなで勝ちたいとか、チームのために頑張ろうとかいう自然な気持ちで楽しめている。試合のために早朝から移動することも多いが、好きでやっていることなので苦労と思ったことはない。ビッグスワンでプレーするのは初めて。みんなも楽しみにしている。アルビレックス新潟から1点取りたいですね。
●JAPANサッカーカレッジ・辛島啓珠監督の話
点を取れなかったことがすべて
(優勢に試合を進めており)どこかで得点できていれば結果は変わっていた。相手もよく守っていた。うちに限らず、ありがちなゲーム。点を取れなかったのがすべてであり、しょうがない。相手が引いてブロックを作り、こちらはボールを動かしていたが雨でスリッピーであることも影響してか、精度が最後のところでずれたのだと思う。良いかたちでボールを奪ってチャンスもあったが、やはり引いた相手を崩すのは難しい。ブロックの外ではパスを回せていたが、単純なクロスだけでは得点はできない。中央のスペースは相手の16番の選手(景山選手)が消していて入れにくかった。
(両チームのメンバーが主力として対戦した8月の国体予選では代表決定戦で新潟が1-0で勝っているが)サッカーなので点が入ることもあれば外れることもある。想定の範囲ではしっかりやれており、国体予選の時と何ら違いはないと思う。