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[2011/11/03]【高校ラグビー】悲運から1年。富山一、快勝で花園切符

富山一①

 

 第91回全国高校ラグビー富山県大会の決勝が3日、岩瀬スポーツ公園であり、富山一が35-12(前半15-12)で富山工を下して3年連続7度目の優勝を果たした。引き分けで両校優勝だった昨年は抽選で富山工が県代表となったため、富山一は2年ぶりの全国大会出場となる。

 全国大会は12月27日から、東大阪市の近鉄花園ラグビー場で開幕する。組み合わせ抽選会は12月4日。

 

富山一② 富山一はFW、BKが一体となったスピーディーな攻めで相手を揺さぶった。キックオフから勢いよく攻め込み、ナンバーエイト阪井陽平選手のトライで先制した。一方の富山工も譲らず、11分に敵陣でのラインアウトからモールで押し込んで7-7に追い付いた。

 15分、富山一がスクラムから展開してフランカー山田将三選手が飛び込みリードするが、富山工も直後に再びモールでゴールまで運び12-12。互角に攻め合ったが、前半終了間際に富山一がPGを決めて3点リードで折り返した。


 後半は富山一がモールへの対応を修正し、3分にそのモールで押し込んで3つ目のトライを挙げる。その後は主導権を掌握して8分にPG、18分には連続攻撃からキャプテンのプロップ濱名健太選手のトライで加点して30-12と突き放した。28分にもボールをつないでセンター田中謙司朗選手がトライを挙げて締めくくった。

 

●富山一・川上聡彦監督の話

 昨年は残念ながら抽選で全国大会には出られなかった。生徒たちが悔しさを励みにして頑張ってきたことが優勝につながった。立ち上がりによいかたちでトライを奪うことができた。ディフェンスもよくはまったと思う。(前半モールで押し込まれて2トライを許したので)相手の1人目をしっかり倒してプレーを寸断するように伝えた。


 県内にも富山工をはじめ砺波、魚津工と優れたところのあるチームがあり、それらを見習って全国大会まで力をつけていきたい。うちだけでなく両校の選手たちの父母のみなさんに御苦労があったと思う。感謝しています。


●富山一・濱名健太キャプテンの話

 昨年は引き分けだったので勝つことができてよかった。チーム全員で走り、戦えたのが勝因。最初から恐れずに向かっていこうと思っていた。自信のあったモールで逆に押されて少し慌てたが後半はみんなで盛り上げて立て直すことができた。富山県代表はこの2年、全国大会で勝っていないのでまず1勝を目指したい。



富山工●富山工・九俵博夫監督の話

 相手陣で起点を作って攻めたいと考えていたが前半からミスが出て思うようにゲームを進めることができなかった。相手にはポイントポイントに力のある選手がいて抑え切ることができなかった。力のあるチームではなかったのに、頑張ってここまで来たことをほめたいと思う。


●富山工・河南和貴キャプテンの話

 悔しいです。予想していた通り相手との力は同じぐらいだと前半は感じていたが、後半はミスもあってうまくいかなかった。(モールでのトライは)今まで練習してきたことが発揮できたと思う。



悲運から1年。花園への思い実る

 富山一が1年前の無念を晴らした。昨年の決勝では追い付かれて引き分け、抽選に外れて花園に出場できなかった。今年は堂々と県代表の座を勝ち取った。川上聡彦監督は涙ぐみ、「昨年のキャプテンに優勝を報告できるのがうれしい」と語った。


 当日、学校に早めに集まり、最近は行っていなかったという選手一人ずつに試合用ジャージを手渡す儀式をした。川上監督は「俺たちは『ワンチーム』。つらくても、痛くても全員がひとつになって頑張るぞ」と呼び掛けたという。


 選手たちは情熱をプレーに込め、キックオフから出足鋭く攻め込んだ。「恐れずに向かっていった」と濱名健太キャプテンが振り返る。約1分で先制トライを挙げて試合の主導権を握った。富山工に追い付かれてもその度に突き放し、後半は一方的にリードを広げた。「力を出し切った。吹っ切れたようなプレーぶりだった」と監督も驚く快勝だった。


 試合後に記念写真に収まる選手たちは人差し指を掲げ、声をそろえて「ワンチーム!」。勝利に導いてくれた合言葉とともに次の舞台へと歩を進める。

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