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[2012/01/29]富山出身の野尻さん3位「全力尽くせた」/大阪国際女子マラソン

大阪国際女子で3位に入った野尻選手
 

ゴールイン直後の野尻選手 第31回大阪国際女子マラソンが29日、ロンドン五輪代表選考会を兼ねて行われ、富山市(旧大山町)出身の野尻あずさ選手(第一生命)が自己ベストを更新する2時間24分57秒で3位に入った。優勝は日本歴代9位となる2時間23分23秒をマークした重友梨佐選手(天満屋)で、五輪代表の有力候補に名乗りを上げた。優勝候補に挙げられていた福士加代子選手(ワコール)は9位に終わった。五輪代表3人は最後の選考会となる名古屋ウィメンズマラソン後に決まる。

 

■大会公式HP

http://www.osaka-marathon.jp

 

 野尻選手は重友、福士の両選手とともに先頭集団につけ、ペースメーカーが刻む5キロ16分50秒前後のハイペースを追走した。中間点当たりで2人に離されたが粘ってペースの落ち込みを抑え、約30キロ地点では遅れ出した福士選手を抜いて2位へ浮上した。最後の競技場内でタチアナ・ガメラシュミルコ選手(ウクライナ)に抜かれたが、昨年4月のロンドンマラソンでマークした自己記録2時間25分29秒を更新した.

 

 

●野尻あずさ選手の話

 前半はペースメーカーのつくるペースに乗っかっていき後半に勝負をかけようと考えていました。と言ってもそのペースは私にとっては自己ベストを上回るハイペースなのでチャレンジでした。ペースメーカーのつく25キロ地点までついていけるだけでも収穫で、その先のことは走りながら考えればよいと監督からも言われていました。余裕をもって走り、後半に伸び伸びと前に出て行くのが理想でしたが途中で厳しい状況になり、中間点で先頭集団につけなくなってしまいました。それでも、マラソンは42.195キロであり、最後まであきらめることなく、なるべく離されないように粘って粘っていこうと思いました。その結果、3位になることができました。目標だった自己ベスト更新が達成できてよかったと思います。

 

ガメラシュミルコ選手と健闘を称え合う野尻選手 沿道からのたくさんの応援が力になりました。ただ「頑張れ」という声ではなく、「離れるな」とか、「粘れ」とか、その時の自分の状況に合わせて声を掛けてくれる人が多かった。心の中で「はい。頑張ります」と答える感じで走っていました。

 目標にしていたロンドン五輪出場。そして今回がわたしに与えられたチャンス。それに対して全力を尽くせたと思います。

 

 大阪のワンチャンスにかけて練習し、力を出し尽くした結果の3位。今の力として受け止めたいと思います。思い続けてきた五輪出場という夢をかなえるため勝負しようという気持ちはもちろんありましたが、一方で今の自分の実力がどれぐらいなのかも理解していました。これでロンドン五輪は無理だとは思いたくはありませんが、そんなに簡単に出場できるものだとも思っていません。今回が4回目のマラソンでしたが、1回1回それぞれに得るもの、感じるものが違います。また次のマラソンのことを思い描きながら進んでいけたらと思っています。

 

 陸上に身を置いて日が浅いので、今後も足りない要素を一つずつ見つけていかなければなりません。例えば今回のようなハイペースに楽についていけるようになるとか、勝負がかかった時の精神力であるとか、それを埋めるためにどうアプローチしていくかが課題です。まだ、こうやったらマラソンを走り抜くことができるという感覚をつかめておらず、探りながらやっています。レースの中で苦しい時間もあれば、良い時間もある。苦しい時を乗り越えれば何かがある。そんな感じで走った結果、今回は粘ることができたのかもしれません。


(記者会見と囲み取材での談話を構成)

 

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