[2014/01/03]【高校サッカー】富山一が13年ぶりベスト8
第92回全国高校サッカー選手権は3日、3回戦があり県代表の富山一は3-2(前半3-1)で市浦和(埼玉)を下してベスト8に進出した。県代表の8強入りは同校が4強まで進んだ2000年度以来で13年ぶり。5日の準々決勝では日章学園(宮崎)と対戦する。
富山一は中盤での素早い寄せでペースをつかむ。こぼれ球を拾っては相手のマークを外してパスをつなぎ好機をつくった。前半17分、DFからのロングフィードを収めたFW渡辺仁史朗選手が放ったシュートがDFに当たって先制点が決まった。直後にもMF細木勇人選手のスルーパスで抜けたMF西村拓真選手がGKに倒されて得たPKをMF大塚翔選手が決めて2点目。同25分には大塚選手からのスルーパスでDF裏に抜けた渡辺選手が3点目を挙げた。前半終了直前と後半17分に失点して1点差に迫られたが、最後まで粘り強い対応を続けて押し切った。
喜びも控えめに健闘を称え合う
〇…試合終了の笛が鳴ると富山一の選手たちは喜びのポーズも控えめに市浦和の選手に歩み寄り握手を求めて健闘を称え合った。
前半25分までに富山一が3点のリードを奪った。しかし、市浦和も学校所在地から1㌔も離れていない地元・駒場スタジアムに来場した約1万人の声援にも後押しされて2点を返した。最後まで勝負の行方が分からない大熱戦だった。
富山一の細木勇人選手は「僕ら3年生にとっては今大会が高校最後のゲーム。負けた人たちの想いも背負って戦っていかなければならないと思っているので握手を求めた。相手も『ナイスゲーム』と言葉を返してくれてうれしかった」と話した。
●富山一・大塚一朗監督の話
前半に3点も入ったのは予想外。狙い通りと言うよりも出来過ぎ。前半終了間際に失点し、ハーフタイムには0-0のつもりで、ゲームをつくり直すように伝えた。しかし、大会3試合目の疲労もあって前への推進力がなくなった。相手にこぼれ球を拾われて苦しい展開になった。(逃げ切り狙いで)ブロックを組んで守るのは(地元の市浦和に大声援が送られている)会場の雰囲気を考えても難しいと感じていて、なるべく相手をゴールから遠ざけるやり方をした。交代でFW高浪奨選手を入れたのは推進力を取り戻したいとの意図があった。昨年の夏に硬式野球部が甲子園初出場でベスト8まで進んだが、これで近づけたかなぁと思う。サッカー部にはこれまでの伝統があるので、それを乗り越えられるように次も頑張りたい。
●富山一・MF細木勇人選手の話
ベスト8まで進むことができ、仲間も次も試合ができるのがうれしい。前半に3点取れたことはよかったが、相手も強いのは分かっていた。疲れはあったが粘り強くプレーしたので3失点目を防ぐことができたと思う。後半途中からサイドで起点をつくりボールを保持できるようになったのがよかった。相手の地元(会場は埼玉・浦和駒場スタジアム)で観客の多さ(来場10,379人)に驚いたが、アウェイの雰囲気を楽しもう、とみんなで話していた。
●富山一・MF野沢祐弥選手の話
(立ち上がりのミドルシュートは)試合の流れをもってこようと考えて思い切って狙った。試合の中で相手の出方などをみて自分たちでプレーを修正する力がついてきたように感じる。
●富山一・MF川縁大雅選手の話
前半はやろうと思っていたサッカーができた。相手の選手がドリブルでどんどん仕掛けてきたが、前半にイエローカードをもらっていて思い切って止めにいけなかったのが悔しい。後半は相手からも強い気持ちを感じた。慌てず集中を切らさずにプレーでき、守り切ることができた。(今大会は3試合とも接戦だが)苦しい試合を粘り強く戦うのが一高のサッカー。アウェイの雰囲気も気にならなかった。