[2009/01/13]■詳報 プロ、高校野球交流シンポ「夢の向こうに」in富山【投手・捕手編】
現役プロ野球選手が高校球児を指導するシンポジウム「夢の向こうに」が08年12月13日、砺波市文化会館で開かれた。プロ、アマ交流の場として03年から始まり、富山県での開催は初めて。県内の1、2年生選手ら約900人が参加した。日本野球機構、日本プロ野球選手会、日本高等学校野球連盟主催。
プロからは地元・滑川高OBの竹嶋祐貴投手(巨人)ら巨人、西武の若手6人が講師として参加し、ステージ上で実技を交えながらアドバイスした。冒頭に巨人の清武英利球団代表があいさつし、「巨人を創設した正力松太郎氏の生まれた富山はわたしたちにとって聖地です。高校生のみなさん、可能性を信じて頑張ってください」と話した。
■■シンポジウムでの指導や助言内容を紹介する■■
コーディネーター 湯舟敏郎氏
投 手 竹嶋祐貴選手(巨人) http://www.giants.jp/G/player/prof_2788.html
田中靖洋選手(西武) http://www.seibulions.jp/team/player/detail/57.html
捕 手 星孝 典選手(巨人) http://www.giants.jp/G/player/prof_2753.html
内野手 寺内崇幸選手(巨人) http://www.giants.jp/G/player/prof_274.html
外野手 松坂健太選手(西武) http://www.seibulions.jp/team/player/detail/58.html
大崎雄太朗選手(西武)http://www.seibulions.jp/team/player/detail/0.html
※選手紹介は両球団HPより
【投手編】
◎マウンドで心掛けていること
■田中 打者を見おろして、向かっていく気持ちを大事にしている。
■竹嶋 常にストライク先行を心掛けている。強いボールを投げるためにフォームを意識する。
■湯舟 フォームを見せながらポイントを教えてほしい。
■田中 軸足(右投手なら右足)にしっかり乗せるようにしている。は やく倒れ込んでしまうと腕が上がってこない。腕は前で大きく振る。トップまで力を抜き、リリースでMAXになるようにする。
■湯舟 1、2、3のリズムで考えると、軸足にしっかり乗って投げるリズムは、「いち」「にぃ~の」「さん」。この「にぃ~の」の感覚をつかんでほしい。
■田中 軸足に乗って投げるには足の強さが必要で、練習のほとんどは走り込み。あとは体幹が大事なので腹筋や背筋を鍛えている。
■竹嶋 わたしも下半身の粘り、ためを意識する。軸足(左投手の左足)のひざををなるべく(一塁に向かって)正面に向かってキープするように注意している。
クイックで投げる時には、セットポジションの状態で軸足に力をためる。ユニフォームの股関節にしわが入るような感じ。◎変化球の練習について
■田中 ブルペンだけでなく、キャッチボールの中で変化球を投げている。マウンドから本塁までの距離で、ネットに向かって投げたりもする。目標となる目印に向かって。
■竹嶋 50、60㍍の距離でステップを入れて変化球を投げる。遊び心をもって取り組むのがよいと思う。
■湯舟 2人ともキャッチボールで変化球の練習をしている。みなさんも、いつもの練習方法にこだわらず、いろいろ試してみるとよい。
◎コントロールをつけるには?
■田中 投げて身につけるしかない。肩は消耗品との考えですが、1日300球ぐらい投げることもある。
■竹嶋 投げ込むだけでなく、狙ったところに投げるために考えることが大事。意識しながら練習する。高校の時は右打者のインローばかりを練習していた。(左投手のわたしにとって)長くボールを持たねばならない難しいコース。そこに投げることができれば、ほかのコースも投げられるとの考えだった。
◎ナチュラルシュートをなおすには?
■田中 開きが早いのかもしれない。グラブの位置で我慢する方法もある。外にまわさずに胸にもっていくのも一考
【捕手編】
◎構え方
■星 両肩、両膝の4点で投手に向かって大きく的をつくる。かかとは上げる。ミットの面を投手に見せてあげる。
◎ワンバウンドの捕球
■星 両膝を同時について体で壁を作り、ボールを正面に落としたい。股の間を抜けないようにミットを出す。あごを引き、体に角度をつけて前に落とす。まず先に、ひざを素早く地面につけることが大事。
構えたうえで、横にゆれてみる。安定させるには、股関節の柔らかさが必要で柔軟体操をしっかりやろう。
◎送球について
■星 真っ直ぐに踏み出すのが基本。右足をミットの下に踏み出す感じで。
◎配球。コースの選び方
■星 打者の見逃し方、手を出してくるかどうか、立ち位置、バットの長さ、目線などを含め普段とは違う点を観察する。
打者が狙っているコースでも打ち損じてくれることもあるので、投手の立場で考えてあげることが大事だと考えている。
長打力のあるなし、点差、イニングを考慮し、(もし打たれても)これぐらいならOKだろと考えることもある。ビクビクする必要はない。