[2009/01/13]■詳報 プロ、高校野球交流シンポ「夢の向こうに」in富山【打撃・守備編】
【打撃編】
■松坂 人によっていろんな構え方があると思う。わたしは頭の後ろにバットのヘッドを感じるようにしている。
バットは「振る」というより、強くボールに「ぶつける」感じ。(右打者なら)右ひじの入りがスイングスピードにも関わってくる。胸にひじをぶつけるぐらいの気持ちでやってみてほしい。
■大崎 左打者のわたしは、しっかり打ってから走ることを意識している。左特有の当てて走るかたちには悪影響もある。身長169㌢で投手を見上げるかたちになり、ヘッドアップしやすいので、上から前で叩く意識をもって打席に立っている。背中や尻といった大きな筋肉を使えるように、猫背にならないよう背筋を伸ばして構えている。
■寺内 水平にしっかり回転することを意識している。体を開かない、バットを遠回りさせない。素振りの時も、実戦と同じような目線でボールを追ってほしい。
◎逆方向を狙った打撃について
■寺内 バットを出す角度、ヘッドが下げず立てるぐらいに出す、ポイントはベース寄り。ティーバッティングで背中からボールを入れてもらい、呼び込んで打つ感覚を身に付けるのもよいと思う。
■松坂 打球方向へのフォロースルーを意識
■大崎 インコースを逆方向に打つ練習をする。互いに投げ合って特訓する。
【守備編】
■寺内 内野手のわたしは、打球に素早く反応できるよう、投球に合わせて前に軽くジャンプして準備する。中学、高校の時からやってきた。まず打球の方向に入ることが大事で、数多く捕球することで練習する。送球の時は、内野手もしっかりトップの位置をつくって投げないと、悪送球の原因になる。左前で捕球し、ステップは前に、投げる方向に踏み出し、強い送球を心掛けてほしい。
■大崎、松坂外野手 体がうわずると打球への対応が後手にまわる感覚はある。プロはハイレベルで飛球の上がり方も違う。ノックよりも実打を捕球する練習の大切さを感じており、試合前打撃で守備に入るよう心掛けている。
【質疑応答】
Q得意の変化球の投げ方を教えて
■田中 スライダーは、ツーシームの握りで、ボール切る感じで投げる。打者の手元で曲がる。
■竹嶋 フォークは、手首をロックしてひっかく感じで投げている。握りは無理に指の間に押し込んだりはしない。
Q球速を上げるにはどうすればよい?
■竹嶋 力まず、リリースポイントで最高になるよう力の入れどころの感覚を養ってほしい。
■田中 体を強くしてほしい。三塁後方から助走をつけて一塁に低い弾道で送球する練習もする。遠投では体を大きく使えるようにする。
Q投球をいい音を出して捕球するには?
■星 捕球のポケットをつくるミットづくりから始まる。下から上に出す感じで、しっかり面をぶつけて捕球してほしい。ボールを追うのではなく、来る所から前に出して捕球する。
Q左投手のクロスの球が捕球しづらいが?
■星 捕球ポイントを前にしてみたらどうだろう。試してみてほしい。
Q逆方向に強い打球を打ちたいが?
■バットを振って音の鳴る場所はどこだろう?逆方向に打つならばポイントはホームに近くなる。そこで音が鳴るようポイントを意識して練習してほしい。置きティーを使っての練習も効果的だろう。
Q外野守備のこつは?
■大崎 ライナーの正面の打球でも、まずどちらでもよいから半身になるようにしている。
Qスランプ時の練習法は?
■松坂 特別な練習はしない。わたしは、調子がよい時に半端じゃないぐらい練習するようにしている。体にしみ込ませたいので。
打撃は考えすぎるときりがない。スランプの時には、簡単に考えてひきずらないようにしている。自分を追い込まず、「タイミングだけの問題」と割り切ってしまう。
Q食事について
■田中、竹嶋 好き嫌いせず、しっかり食べることが大事。
■星 体重を測って、落ちないように心掛けている。
Q高校野球とプロ野球の違いは?
■松坂 パワー、スピード、テクニック、すべてが違う。筋力、変化球のきれ、伸び…今でもびっくりすることがある。
■大崎 チームのみんなで心をひとつにして頑張るのが高校野球。プロ野球は個人、個人の力を結集するイメージで、自分がしっかりやらないといけない。
■寺内 責任感の強さ。
■星 シーズンに入ると毎日が試合なので、日々の体のケアが必要。
■竹嶋 プロでは1年間安定したトータルな力が求められる。プレッシャーの大きさも違う。
■田中 人がやっていない時にやっている人が上にいっている。人が遊んでいるうちも練習しようという気持ちが必要。