[2012/06/03]【レポート】浦和レッズと歩んだ20年を語る~吉沢さん・越智田さん講演会
6月2日(土)、TSC主催、カターレ富山をサポートする会(ヘルバレー)共催の講演会『浦和レッズとの20年 Jリーグクラブと歩んだ道。その功罪』を開催。
100名近い参加者が、ユーモアを交えたお二人のトークに耳を傾けました。
講師はレッズ創成期にサポーターグループのリーダーとしてその名を馳せた吉沢康一さんと、浦和の商店街でカフェを営みながらレッズの歴史を見守り続ける越智田晃さん。
富山県民会館701号室に集まった超満員の観衆(参加者計95名)が見守る中、佐伯仁史TSC理事長がコーディネーターを務め、講演会は午後5時半にキックオフ。
参加者に予告なしの「キラーパス(質問)」を出し、参加者も応戦(逆質問)するなど、序盤から白熱した展開になりました。
Jリーグ発足前、クラブの誘致に向けて署名活動に奔走した越智田さん。
浦和レッズ発足と共に「俺たち一人一人が足を運ばなかったらこのリーグは成功しない」と、誰から頼まれるでもなくサポーターチームを率いた吉沢さん。
その原動力は「使命感」だったといいます。
市民の求めによって造られ、市民の支えによって成り立っている浦和レッズ。
アジアチャンピオンの座を獲得し、日本一の観客動員を誇るビッグクラブとなった姿は、Jリーグの「功」の部分に相当します。
一方、成績低迷が続き観客減に歯止めがかからない最近の浦和について、「クラブと地元の意識の差が開いている。観客が減っているから地元に協力を求める、というのは違うと思う」と、「罪」の部分の話題にも言及されました。
試合の勝ち負け論にとどまらない「まちづくり・市民とプロスポーツの関係」の視点で繰り広げられたトークは、90分の「試合時間」をオーバーし、数十分のロスタイムにもつれ込む展開に。
その後、有志による懇親会場へと席を移し「延長戦」がスタート。
折から行われていた山王祭りで活気にあふれる富山市内に、新たな熱が生まれた夜になりました。
越智田さんから「浦和の人は試合が終われば街に繰り出すことが多いが、富山のファンは試合後一体どこに消えてしまうのか」という言葉がありました。地味で控えめな県民性を自他共に認める富山ですが、プロスポーツにおいて「目立ちたくない」ことが美徳であるのかどうか…3つのプロスポーツを擁しながら、ホームタウンの空気が感じられないこの街の現状を深く考えさせられました。
この講演はゴールではなく、これをきっかけとしたネットワークやコラボレーションが生まれることをTSCは願っています。
スポーツをツールとして、もっとこの街を幸せに、良くしたい。そんな考えを持つ方々と力を合わせて、TSCはこれからも活動を続けていきます。
ご参加いただいた皆様、取材していただいたメディア関係者各位、この講演会を支援してくださった協賛社様、そしてユーモアと辛さを兼ね備えた絶妙のコンビネーションで私たちの心を揺さぶった吉沢さん・越智田さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。